十二支とは ― 日本の干支の基礎知識
十二支(じゅうにし)は、子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・巳(み)・午(うま)・未(ひつじ)・申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(い)の12種類の動物で構成される暦の仕組みです。もともとは中国で生まれた概念で、紀元前の殷(いん)の時代から存在していたとされています。日本には6世紀ごろに伝わり、以来、日本の文化や生活に深く根付いてきました。
十二支はもともと動物とは関係のない概念で、年や月、時刻、方角を表すための記号でした。しかし、一般の人々が覚えやすいように12の動物が割り当てられたと言われています。日本に伝わる際に、一部の動物が日本の文化に合わせて変更されました。たとえば、中国では「猪(いのしし)」の代わりに「豚(ぶた)」が使われていますが、日本では猪が採用されています。
十二支の動物とその特徴
- 子(ね)🐭 ― 繁栄・行動力の象徴。子年生まれは社交的で機転が利くとされます。
- 丑(うし)🐮 ― 勤勉・忍耐の象徴。真面目で努力家、信頼される性格。
- 寅(とら)🐯 ― 勇気・決断力の象徴。リーダーシップがあり情熱的。
- 卯(う)🐰 ― 温和・優雅の象徴。穏やかで人当たりが良い性格。
- 辰(たつ)🐲 ― 成功・活力の象徴。エネルギッシュで野心的。
- 巳(み)🐍 ― 知恵・直感の象徴。洞察力が鋭く思慮深い。
- 午(うま)🐴 ― 自由・活発の象徴。明るく陽気で行動的。
- 未(ひつじ)🐏 ― 平和・芸術の象徴。優しく創造性が豊か。
- 申(さる)🐵 ― 知性・器用の象徴。賢く好奇心旺盛。
- 酉(とり)🐔 ― 勤勉・正確の象徴。几帳面で観察力に優れる。
- 戌(いぬ)🐶 ― 忠実・誠実の象徴。正義感が強く仲間を大切にする。
- 亥(い)🐗 ― 勇敢・率直の象徴。まっすぐで情に厚い。
これらの性格診断はあくまで伝統的な言い伝えですが、日本では会話のきっかけとして「何年(なにどし)生まれ?」と聞くことがよくあります。干支は年齢を推測する手がかりにもなるため、日常的なコミュニケーションの中で自然に使われています。
年賀状と干支の深い関係
日本で干支が最も身近に感じられるのは、やはり年賀状でしょう。毎年、その年の干支にちなんだイラストやデザインが年賀状に描かれ、郵便局のお年玉付き年賀はがきにもその年の干支がモチーフとして使われます。2026年は午年(うまどし)なので、馬をテーマにした年賀状が多く見られるでしょう。
年賀状の干支デザインは、単に動物を描くだけでなく、その動物に縁起の良い意味を込めるのが日本の伝統です。たとえば、馬は古来より「物事がうまくいく」という語呂合わせで縁起が良いとされ、「馬到成功(ばとうせいこう)」という中国の故事にも通じる成功の象徴です。
また、年賀状以外にも、その年の干支の置物や絵馬が神社で販売されたり、テレビや雑誌で干支にちなんだ特集が組まれたりと、日本の正月文化は干支と密接に結びついています。子どもの初正月には、その子の干支にちなんだ縁起物を贈る風習がある地域もあります。
六十干支 ― 干支の完全サイクル
一般的に「干支」というと十二支(12種類の動物)を思い浮かべますが、本来の「干支」とは「十干(じっかん)」と「十二支」を組み合わせた60通りの暦を指します。十干は甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)の10種類です。
十干と十二支を順番に組み合わせていくと、最小公倍数である60の組み合わせが生まれます。これが「六十干支(ろくじっかんし)」で、60年で一巡します。60歳のお祝いを「還暦(かんれき)」と呼ぶのは、まさにこの干支が一巡して元に戻ること(暦が還ること)に由来しています。
たとえば、2026年の六十干支は「丙午(ひのえうま)」です。丙午は十干の「丙(ひのえ)」と十二支の「午(うま)」の組み合わせで、60年に一度しか巡ってきません。日本では「丙午年の女性は気性が激しい」という迷信がかつてありましたが、現代ではほとんど気にされなくなっています。